診療案内

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食育

お口の機能を育てる
「食育」とは
硬いものが噛み切れない、舌や唇をうまく使えない、よく噛まずにまる飲みしてしまう…など、
食事の仕方に問題のある子どもが増えてきています。
歯の生え方や舌の機能の発達に合わせて、日々の食事をきちんととることでお口の機能は正しく成長していきます。
お子さまの健やかな成長・発達のために、歯科医師の立場から正しい食生活についてアドバイスをさせていただきます。
お口の中に起こる虫歯・不揃いな歯並び・かみ合わせ等のほとんどは良くない生活習慣が原因で起こります。
健康で正しい機能のお口を作るためには歯科医院との関わりが早ければ早いほど、スムーズに悪い習慣と切り離せることができます。
乳児期から正しい機能を身につけ健やかに成長することが、究極の予防と言っても過言ではありません。

離乳食のすすめ方

哺乳期(舌飲み期)
どんな時期?

口に物を近づけると反射的に口を開き、舌を出す「哺乳動作」をする時期
自分の意思でおもちゃなどをしゃぶる動作が見られる時期

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  • 歯の萌出状態
    通常は歯はまだ生えていません。
  • 授乳の際の注意点
    唇を巻き込んで乳房をくわえていないか(浅くわえになっていないか)をチェックしてください。
赤ちゃんの哺乳とママの
授乳をスムーズに
開始
させる「ラッチオン」映像

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ゴックン期
(5〜6ヶ月頃)
どんな時期?

食べ物を取り込むために、
口唇を閉じることを学ぶ時期
舌を前後に動かして、食べ物を
奥に送り込むことを学ぶ時期

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  • 歯の萌出状態
    通常は歯はまだ生えていません。下顎乳中切歯が生え始めている子もいます。
  • 食べられる物の目安
    おかゆの上澄み→10倍がゆ→野菜スープ→ポタージュスープ→豆腐をすりつぶしたもの、の順であげていきます。調味料は使用せず、素材から出る味だけで十分です。
    食べさせ方のポイントは下唇にスプーンをおいて、上口唇ではさむまで待ちましょう。上唇が下りたら、スプーンを水平に抜く。要はやってはいけないことは上あごにスプーンをすりきるように一方的な食べさせ方で、どんどん口に入れていくと自分で食べる力が育ちません。
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モグモグ期
(7〜8ヶ月頃)
どんな時期?

食べ物を、舌と上あごで
押しつぶすことを学ぶ時期

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  • 歯の萌出状態
    下顎乳中切歯が生えます。
  • 食べられる物の目安
    絹ごし豆腐、7倍がゆ、かぼちゃペースト、茶碗蒸しぐらいの硬さのもの、茹でてすりつぶしたほうれん草やブロッコリーなど、指で軽くつぶせる硬さが目安です。
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カミカミ期
(9〜11ヶ月頃)
どんな時期?

前歯で噛み切り、奥の歯茎で
すりつぶして食べる練習を
する時期

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  • 歯の萌出状態
    10ヶ月ごろになると上顎乳中切歯が、11ヶ月頃になると上顎乳側切歯が生えます。
    奥の歯茎が盛り上がってきます。
  • 食べられる物の目安
    熟したバナナ、5倍がゆ、耳をとった食パン、軟らかくゆでた野菜など
    この時期のポイントは自分で食べる意欲を大事にし、食べこぼしてもいいので、手づかみ食べをどんどんさせることです。
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離乳完了期
(1歳頃)
どんな時期?

前歯で噛み切り、しっかり
してきた奥の歯茎で
食べ物を
噛みつぶすことを学習する時期

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  • 歯の萌出状態
    上下の乳中切歯と乳側切歯(合計8本)が生えます。
  • 食べられる物の目安
    軟飯、スクランブルエッグぐらいの硬さのもの、繊維性の弱い野菜、鶏ささみのミンチ、辛くない麻婆豆腐など。薄味が基本ですが、調味料をごく少量ずつ使いはじめましょう。
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幼児食 前期
(1歳〜2歳頃)
どんな時期?

奥歯で噛み砕いて
食べることを学ぶ時期

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  • 歯の萌出状態
    第一乳臼歯、乳犬歯が生えます。
  • 食べられる物の目安
    繊維性の弱い野菜、ひき肉(ハンバーグなど)、煮魚など。カレー粉やニンニクなども少量なら使用できるようになります。
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幼児食 後期
(3歳〜5歳頃)
どんな時期?

乳歯がすべて生え揃い、
よく噛む習慣を
身につける時期

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  • 歯の萌出状態
    第二乳臼歯も生えて、乳歯がすべて生え揃います。
  • 食べられる物の目安
    大人とほとんど同じものが食べられるようになりますが、噛む力は大人の1/3程度です。

子どものおやつについて

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栄養を補うための補食としてのおやつ
子どもは1回の食事量が少なく、3回の食事で1日のエネルギー所要量を摂取することが難しいため、「4回目の食事」として間食をとることをおすすめします。
そのため、おやつは菓子類やジュースではなく、おにぎりやお茶などの栄養補給ができるものを用意しましょう。砂糖や油脂がたっぷりと入った菓子類は肥満や虫歯の原因にもなります。また、だらだらと食べることで食事のリズムが乱れやすくなるので、おやつも決まった時間に必要な量だけをとるようにしてください。
おすすめのおやつ
  • 小魚や梅干し、ゴマなど具沢山のおにぎり
  • 発達段階に応じて食材を変えたお好み焼き
  • 一口大のピザトーストやチーズトースト
  • さつまいもやとうもろこしなど蒸した野菜

※一例です

規則正しい食事で虫歯予防
  • 規則正しい食事の場合
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    唾液の成分で再石灰化され、
    歯の表面が修復される
    唾液による歯の再石灰化時間が長く確保されます。酸性になっている時間が少ないので、歯が溶ける時間も少なく、虫歯になりにくい状態です。
  • ちょこちょこ食べの場合
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    酸によって歯の成分が
    溶け出す時間が長くなる
    ちょこちょこと飲み食べしていると口の中が酸性になり、唾液が歯を再石灰化する時間がとれないので、虫歯になりやすい状態が続いてしまいます。

虫歯について

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虫歯はなぜできるの?注意するべきことは?
虫歯は、歯質・細菌・食べ物の3つの要素に時間の経過が加わってできると言われています。
虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌)は、歯に付着する菌の塊「歯垢(プラーク)」に含まれています。そのミュータンス菌が糖分やタンパク質を分解し、分解の際に排出される酸などが歯のエナメル質やカルシウム、リンなどの成分を溶かします。それが虫歯です。
「歯みがきの回数が少ない、またはほとんどしていない」「たくさん甘いものを食べている」それでも虫歯がない方は、もともと持っている細菌の量が少なかったり、溶け出したカルシウムやリンなどの成分を元に戻す働きのある「だ液」の力が強い方です。
  • 歯質
    歯質は象牙質・エナメル質・セメント質などからできています。歯質の強さは一人ひとり差があり、その強さが虫歯へのなりやすさに影響しています。
    よく噛んでだ液の分泌量を増やしたり、フッ素を塗布することで、歯を健康な状態に戻す「再石灰化」の促進や歯質の強化を行えます。
  • 細菌
    細菌の塊である歯垢や歯石は歯みがきだけで落としきることはできません。
    しかし、歯科医院にて専用の器具で除去することはできますので、定期的にメインテナンスを受けましょう。
    また、フッ化物やキシリトールを活用することで、虫歯の原因となる細菌の活動を抑制することができます。
  • 糖分
    食後のお口の中はしばらく、歯が溶けやすい、虫歯になりやすい、酸性の状態になります。
    その状態を続けないようにだらだら食いを控える、砂糖の少ないおやつを選択する、栄養のバランの良い食事を意識する、など虫歯になりにくい食生活を送れるように心がけましょう。

噛むことの大切さ

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食べ物と唾液が混ぜ合わさるようによく噛むこと
いつまでも軟らかい食べ物ばかりを食べていると、口の周りの筋肉が衰えてお口の機能がうまく育ちません。また、奥の歯茎で押しつぶす必要がないため、「まる飲み食べ」になりがちです。
きちんと噛むことで唾液が分泌され、虫歯予防につながります。また、あごや首などの筋肉を強め、正常な発育を促進させます。さらに、噛むことで満腹中枢をコントロールし、肥満を防止することもできます。
唾液の優れた働き
  • 食べ物を軟らかくして飲み込みやすくする
  • 消化を助ける酵素が含まれている
  • 口の中の粘膜が乾燥するのを防ぐ
  • 食べカスを洗い流し、口の中を保護する
  • 口の中の菌の増殖を抑える免疫物質が含まれている
  • 虫歯を予防する成分が含まれている

食事の際の正しい姿勢とは

厚めの雑誌や電話帳などでもOK 丸めたタオルをはさみこんで腰をささえる

正しい姿勢で頭部が安定し、しっかり噛めるように
足裏が床についていないと姿勢が安定しないため、両腕がテーブルについてしまい、姿勢の悪い食べ方になりがちです。背中を丸めた猫背姿勢で食事をするのは胃腸の消化吸収の働きが悪くなります。
踏み台などで補助をしてやり、足の裏全体が床にしっかりとつくようにしましょう。
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